平田クリニック かわら版 No.20 (2009年5月) 第20回 2009年日本リウマチ学会ハイライト 本年の日本リウマチ学会は、4月23日〜26日まで東京で開催されました。日本でも生物学的製剤が4種類使用できるようになり、それぞれが広く使用されて卓越した効果を発揮し、関節リウマチの「寛解」も、もはや夢ではなく、現実のものとなりました。当クリニックでも生物学的製剤を積極的に使用しており、2009年4月現在で約35名の患者さんに使用していただいています。寛解により、「痛み」から開放され、仕事も継続できるようになり、明るい希望を持てる時代が到来しました。 そのような経緯から、今年の学会は「治癒への確信」という力強いタイトルのもと、成果が盛んに発表されました。 今回は、画期的な生物学的製剤(エンブレル、レミケード、アクテムラ、ヒュミラ)の効果を中心に、注目すべき報告をお知らせいたします。 (1)関節リウマチの発病早期から積極的に生物学的製剤を導入するほうが、寛解導入率が高いことがわかりました
(2)生物学的製剤は、導入の時期が遅れても、関節破壊を十分に抑制します (Takeuchi T et al. Mod Rheumatol (2008) 18:447-454) (RECONFIRM-2J研究;埼玉医大 竹内教授らによる)
(3)生物学的製剤は、寛解により中止することが可能です 今回の学会では、日本人のリウマチ患者さんへの使用経験から、レミケードやエンブレルを、疾患が寛解したら中止できる場合があることが報告されました。高価な薬剤のため、治療を終了できることは、経済的に大きなメリットです。しかも、終了後も関節破壊が停止していることが分かりました。
(4)TNF阻害薬が無効な場合、アクテムラ(抗IL-6受容体抗体)に切り替えると有効です (和歌山県立医大 美馬氏)
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