1)糖が体内に急速に流入するのを抑制する この目標を達成するためには、まず、食事療法によって適切なカロリー制限を行うことが必要です。
更に、消化管に入ってきた糖の吸収を遅らせることによって食後の高血糖を抑制する薬(αグルコシダーゼ阻害薬)を使用します。この薬は体重が増えにくいことも利点です。 食後の高血糖を改善することにより、動脈硬化の進展を抑制できることが報告されています。
下の表には、行うべき治療の順番が記載されています。右の欄には、治療の強さが示されています。糖尿病の治療の指標であるHbA1cを、6.5%以下(従来のJDS値)あるいは6.9%以下(新しいNGSP値)にすることが目標です。 期待されるHbA1cの低下量、すなわち治療の強さは、メトホルミン、インスリン、SU薬が優れていることがわかります。 治療の進め方
まず、食事療法、運動療法を行い、薬物が必要なときはメトグルコから開始し、効果不十分であればインスリン注射かSU薬を追加します。これでも効果不十分であればチアゾリン薬、DPP−4阻害薬などを追加します。SU薬とグリニド薬、および、DPP−4阻害薬とGLP-1受容体作動薬は同系統のため、同時には使用しません。また、インスリンとGLP-1受容体作動薬も同じ注射薬のため同時には使用しません。
新しい薬剤が続々と開発され、糖尿病のコントロールもより強力にできるようになりました。また、インスリンは強力な注射薬ですが、治療の手間が必要です。インスリンを使用する前に、新しい強力な内服薬をいろいろ併用して試すことができるようになりました。